Artist's commentary
篠澤広
書いてある文章の書き起こしです。あくまでデザインとして利用したかっただけなので、内容についてはおまけ程度に捉えて下さいませ。
画面上部
プリマステラ
【一番星】
prima stella [ˈpriːma ˈstel.la]
画面左
プリマステラ。それはアイドル達の輝き。初星学園の頂。
HIF(エイチ・アイ・エフ)を勝ち抜いた者たちのみに与えられる、6ヶ月限りの儚い称号。
挑み挑まれ勝ち敗けて歴史はつくられる。それでも、輝けるのは勝ち続けなければ6ヶ月。短い青春の、短い一幕。
思春期の星々どうしの関わり合いの中で星座が産まれ人々はそれを眺めて美しいと言う。きらめく星々は関係性と物語によってより輝く。
……しかし、星々の物語はそこでは終わらない。
さて、
一番星はなぜ一番星なのか?他の星々よりも光り輝いているから。
残酷な競争に勝ったから。
一番星もまた関係のもとに成り立つ。王者は敗者がいてこそだ。その輝きにかき消される者も少なくない。
ひ弱で、歌も踊りもてんでだめなとある少女は、六等星だった。
数多くのアイドルたちの中で最も暗く、他の灯りのない暗闇の中で、目のきく者が目を凝らしてはじめて見える、暗くて小さな六等星。
フラムスチード号しかもたなかった。
その星は、まずはもうすこしばかり明るくなって、星として見てもらえるようになりたかったから、自分を見た者に頼み込んだ。
「おためし。いやになったら契約解除すればいい。」
画面右
星は、三等星くらいになれたら、それでいいと思っていた。星としての土俵に立てたら、それでよかった。たとえ目立たなくたって、星相応に輝けるなら。
でも、星は他の星々に照らされて。星座を見て、こう思った。
「みんな輝いていてすごい。
うらやましい。
くやしい。」
星は、胸の奥に熱いものを感じた。わたしも、ああなりたい。まけたくない。ああ、そうだ、わたしはあんなに輝く星にあこがれて……。
星座の中に少しずつ入っていった。
周りをのんでのみこまれて、少しずつ大きくなっていった。
星は、日々研鑽を重ねた。より強くかがやきたくて。
星は、さらに強く輝き出した。NIA(ネクスト・アイドル・オーディション)を通過し、危機的な状況もくぐり抜けた。星は、一番星をめざすようになった。
でも、もとは六等星の少女にそれは難しくて、核融合の輝きでは足りなくて。
だから、星は、己が身を燃やした。
ぜんぶぜんぶそそいで、ひときわ明るく輝いた。炎は燃やすものがなければ消えてしまう。
今まで積み重ねたもの、ぜんぶ、ぜんぶ、この一瞬に賭けて!
ほんとうに一晩限りの輝き。
空が赤く燃えた。
燃やし尽くした。
その星は、一番星に一夜限りなった。
星は、固有名を得た。その星は、「篠澤広」というらしい。
画面下部
「火の中で、歌う。」

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