神話は欠落する。行間には無数の幻想が埋まっている。それを拾って組み直すだけだと、名工はうそぶく。出来上がる品は素晴らしく、伝説に値するものばかり。真贋など性能に影響を及ぼさない。だからもし、あなたが彼の工房で、発注した覚えのないオーパーツを見つけたとしても、出典を問いただすのは野暮というものだ。あるいはそれは、彼の記憶にのみ留まる実像―――例えば家族との思い出―――かもしれないのだから。
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