Artist's commentary
Cat Youkai ♂
ー〇〇県〇〇〇村 行方不明者の記録ー
両親の教育方針で夏休みは毎年自然豊かな祖父の家で過ごす事になっている、僕には子供の頃から誰にも言っていない秘密がある。
田舎の祖父の家の裏には大きな山がある、祖父は口を酸っぱくして山には猫又が出るから入ってはいけないよと言っていたが、危ないからと脅したつもりだろうがそう言われると入りたくなるのが子供というものである、実際その後山で遭難しかけたので祖父の言う事は正しかったと今では思う。
だが僕は今年も内緒で山に入るのだ、中腹の茂みを掻き分けて進んだ先に小さな洞窟がある入り口は狭いが中は案外広く多少背が伸びた今も中腰ではあるが無理なく通れる広さだ毎年来ているため慣れた道だが油断するとケガもするし整備された道ではないので迷わないように毎年目印として蛍光色のビニールテープを木に結んだりと色々と備えている。
洞窟を抜けると明るく開けた原っぱに出るその真ん中にポツンと鳥居が建っている、そこで目を閉じ簡単なまじないを行い鳥居を潜るとふわりと爽やかな香りがする、目を開けると何もなかった所に大きな社が現れた。
「おぉ!今年も来たのか?また大きくなったのぉ~さぁ、上がると良い、お茶でも淹れるかの」
待っていたかのように声をかけてきたのは巫女のような恰好をした一見すると長髪の綺麗な人の様だがパタパタと忙しそうに出迎える頭には猫の耳、お尻のところでは二股に分かれた長い尻尾が揺れている、猫又という妖怪は一説では人をたぶらかしたり取って喰ってしまうと言われている、それでもこの人は小さい頃山で迷子になった僕を助けてくれた命の恩人だが・・・
「・・・それで?どうじゃ最近は、女の一人でも出来たか?・・・・・・なんじゃ、べっ別にほっとした顔なんぞしておらん・・・はぁ全くお主は背ばっか伸びて中身は変わらんの、ほれ見ろ顔に泥が付いておるではないか風呂を沸かしてあるから入ってこい、その間に飯の準備でも・・・なんじゃ?」
やはり初めて会ったとき、僕はこの妖怪にたぶらかされたようで・・・
「・・・///わ、わかったわい・・・布団の準備を・・・わ、ワシの方も準備しておくでな・・・さっさと入ってこい・・・まったく!助けてやった童の頃からお主は変わらんの・・・///」
出会ってからというもの毎年何度も身体を重ねているというのに、僕から行為をせがむとこうして顔を真っ赤にして怒ったような喜んでいるような表情をして耳をくしくしと小さい手で弄るのだ・・・何百年も年上には見えない可愛らしい仕草に僕の下半身はさらに熱くなる・・・こうしてまんまとたぶらかされた僕は毎年夏の間は秘密の恋「人」?と過ごすことにしている・・・そしていつかはずっとここで一緒に・・・
記録はここで終わっている、件の山からは年々増えていく猫の鳴き声が響くようになったという。ー終ー

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